エスタシオン

野堀シェフは、スペイン各地を旅して食べ歩き、豊富な食材の持ち味を生かした各地の郷土料理に感銘。日本では珍しい様々な郷土料理を紹介するとともに、「料理人としてスペイン料理を掘り下げたい」という想いで、メニューを組み立てている。同店で人気の、鉄鍋で料理する米料理も、バレンシアやアリカンテの郷土料理だ。

全ての料理を、仕込みから仕上げまで一人で調理する野堀シェフ。オープンキッチン内を動き回って焼き具合、煮込み具合などを確かめつつ、カウンターに面した大理石の調理台でていねいに盛り付ける。その間、客席に目配り、気配りすることも忘れない。ゲストの表情は、満足度のバロメーターだからだ。

同店ではデザートも全て手作りで、日本であまり知られていないスペイン各地の伝統的なデザートをラインナップ。写真の「タルタ・デ・センディアゴ」は、野堀シェフが好きだと言うガリシアの郷土菓子で、小麦粉などを一切使わず、アーモンドと卵、砂糖だけで焼き上げたもの。しっとりした食感と素朴な味わいが楽しめる。